「えへへ、助けてくれてありがとね、萩」

「助けた訳じゃないですけどね、この借りは三万円で手を打ちましょう。早く死ね」

すり寄ってくる総長の相手もそうそうに切り上げ、俺はふわぁと小さく欠伸をする。

どうやらさっきの喧嘩で随分と消耗してしまったようだ。

一対五だったとはいえ、いつもなら瞬殺にできる俺が奴等相手に数分もてこずった。

「……老化かな」

馬鹿か、俺は。そんなことは無いだろ。

動きが鈍かったのは疲れのせい。で、その元凶は隣にいるこいつしかいないって訳だ。


だから俺は言うんだろ?


「死んでください、総長」ってね。