「ねえねえ萩くん。ボクら、新しく萩くんのニックネーム考えたんだよー!」

はあぁ、小賢しい双子はいつまで俺の後ろにくっついてくるんだ。

紬なんていじり甲斐がないと言ってさっさと寝てしまったというのに。

……まあ、それもそれで失礼か。

今度からいくら金積まれても交渉してやらないからな。

俺は紬のにやけ顔に拳をのめり込ませるのを想像してから、冷蔵庫をあけミネラルウォーターのペットボトルを取り出した。

半分ほど中身が開けられたそれを喉をならして飲む。ああ、冷たい。

「ねえねえ、『ドメスティック・ヴァイオレンス』か『無内定』か『副さん』のどれがいい?」

そう聞いてきたのはリヒトだ。着ているパジャマがウサギ柄だから俺にも分かる。

リュウトはクマ柄で、今は黙っているがにやにやしていて非常にムカつく。

ペットボトルを口からはずし、俺は奴等を冷ややかに見つめた。

「……まず、そんな奇をてらう渾名になった理由を聞きたいもんだな」