俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】

「ねえねえ、柊悠翔くんだよね?」

「よかったらこの後のバーベキュー一緒にやらない?」




女の子たちはキャッキャと楽しそうにしていた。




「うざい、邪魔」




柊くんが何を言ったのかは聞こえなかったけど、何かを言うとこっちの休憩所へと歩いてきた。




たぶんいつもの如く、酷いこと言ったんだと思うけど。




女の子たちはたぶん酷いことを言われたにも関わらず、わずかに頬を赤く染め、彼の背中を見つめていた。




あの子たち、頭大丈夫かな。




と、哀れみの視線を送っていると、不機嫌そうな表情を浮かべた柊くんがやってきた。




「もういいだろ、早くいくぞ」

「えっあ、ちょっと待ってよ!」




この場を早く立ち去りたいのか、柊くんは私たちに背中を向け、歩き出してしまっていた。




「みんなっもう大丈夫?いこっか!って、ちょっと柊くん!歩くの速いから待ってよ!」




もうっ自分勝手すぎでしょ!
まだみんな休憩の途中だったのに!




私たちは急いで休憩所を抜け出すと、先行く柊くんの後を追いかけたのだった。