俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】

それからあっという間に時は過ぎ、いよいよ放課後になってしまった。




クラスメイトが楽しそうに帰り支度をする中、私は大きなため息をついていた。




「はぁ~…私だって早く帰りたいのにぃ…」




ほんと、私ってついてない…




「花ちゃん、仕事頑張ってね」




カバンを持った涼香ちゃんがやってくると、落ち込む私を励ましてくれた。




「ありがとね、また今度一緒に帰ろっ」




「うんっ…ってあれ?柊くんは?」




「あれ?さっきまでいたのに」




涼香ちゃんに言われ隣の席へ視線を向けると、さっきまでそこにあった姿がどこにもいなかったのだ。