俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】

そう言って私は名前の書きだされた黒板を指さした。




「…はっ?え、嘘だろ」




気づいていなかったのか、柊くんは目を開き、少し焦った様子をみせた。




「柊くんが寝てるせいで学級委員に指名されたんだよ。私は、違うけど」




「うっわ…最悪…」




私のほうへ一切視線は向けず、ぼそっと小さな声で呟いていた。




それはこっちのセリフなんですけど?




「とりあえず、今日の放課後先生に呼ばれてるから、ちゃんと来てよね」

「…無理」

「来なかったら、もっと嫌がらせするって先生言ってたから」

「はぁ~…」




わざとらしく大きなため息をつくと、頭をぽりぽりと掻いた。




そして、諦めたのか再び眠る体勢になっていた。




どんだけ眠たいのよっ!

と、思わずツッコミを入れてしまいそうになった。




は~あ…この先思いやられるなぁ~…




私は現実逃避をするように、窓の外に広がる青空に目を移した。




早く学校終わらないかな…