「ねぇ、ほんとに呼ばないとだめなわけ?」




私は恥ずかしさのあまり顔を赤く染めつつ、涙で少し潤んだ瞳で目の前にいる柊くんを見上げた。




「…その顔やめろ」




「へ?なんで?」




「…なんでも」




そう言って柊くんはそっぽを向いてしまった。




よしっ今なら逃げられる…!

今のうちに…!




一瞬の隙をついて逃げようとした。




「逃げんな」




「わっ」




そんな簡単に逃げられるはずもなく、柊くんの両腕が壁へと触れ、私をどこにも逃がさないように通せんぼをされてしまった。