俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】

そういうと、柊くんはするりと拳を避け、男の鳩尾に蹴りを食らわせていた。




「ぐっ…くっそおおおぉぉ!」




男はうめき声は少し漏らすと、逃げるようにこの場を走って行った。




「…逃げても無駄なのに」




柊くんは男の後ろ姿を見送ると、そう呟いた。




「ひ、柊くん…」




未だ状況が掴み切れず言葉が上手く出なかった。




「なに?」




柊くんはそんな私を上から見下ろしてきた。




怒っているのか機嫌が悪いのか、いつもより怖い表情を浮かべていた。