俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】

そしていよいよ放課後となり、私と柊くんは共に美術倉庫へとやってきていた。




私から少し離れたところで、彼は大きな欠伸をして眠そうにしていた。




「それじゃあ、やろっか」




先生から受け取った鍵でドアを開くと、たちまち埃っぽい臭いが流れ出てきた。




ドアの先をゆっくりと覗きこむと、あまりの光景に目をパチパチさせた。




「ねっ…ねぇ、これやばくない?」




そう言って窓の外に視線を向けていた柊くんに話しかけた。




汚いことは覚悟していたけど…これは、ちょっと…




想像をはるかに上回る汚さだったのだ。




「あ?………って、きったね。これ、俺らが掃除すんの…?」