俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】

◇◆◇◆




「えっ、私が?」




とあるお昼休み、知らない女の子に呼び出されたかと思うと、思いがけないお願いをされていた。




「う、うんっ!だって水沢さん…その、柊くんと仲がいいって聞くし…」

「いやいや…!ただ学級委員で一緒なだけで、全然仲良くないよ?」




そのお願いというのは、柊くんにこの子の書いたラブレターを渡してほしいというものだった。




「えっと、神崎さんって言ったっけ?そういうのはやっぱ自分で渡したほうがいいんじゃない?」




自分の手で渡してこそラブレターって意味があるじゃんっ
やっぱ私が代わりに渡すのは何か違うような…




「だって直接ラブレターを渡すのは恥ずかしいし、下駄箱とかに入れておいたらきっと読まずに捨てられちゃうから」




あ~…確かに柊くんならそうしそう…




「あれ、でも柊くんは遠くから見守ろうみたいな、暗黙のルールなかった?」




だからみんな告白とかはしないって聞いてたけど。