俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】

落ちてきたところを見上げると、ゆるい崖になっていた。




私、こんなところ落ちてきたんだ…はは、笑えない。

これくらいの崖なら登れないこともないよね。




そう思い、立ち上がろうとすると右足が強く痛んだ。




…いたっ。やば、足ひねっちゃったかも。
どうしよう、これじゃ歩けないよ。




ほんと、私ってばこんな時になにやってるんだろ。




紙も見つけられないくせに、自分はこんなところに落っこちちゃって。




「はぁ…」と大きなため息をつくしかなかった。




「涼香ちゃんに連絡して、助け呼ばないと」




ポッケに入ってる携帯に手を伸ばし、電話をかけようとした。




「えっ、待って。ここ…圏外!?」