あの日から私は約1週間、学校を休んだ。

絢人がいない教室の居心地の悪さ。
さらに"西村は元ヤン"だの
"中学の時はギャルだった"だの
わけのわからない噂が立っていた。
そして、橋本先生。
ほんとうは会いたい。でも........
あんな風に先生の前で泣いてしまって
もし校舎のどこかでばったり
先生と会ってしまったら.....と考えると
学校には行けなかった。
そしてずるずる1週間休んでしまった。


────ピロロッ♪

絢人からのLINEだ。

【明日から学校だぜ?ありがたく思え】

はいはい.....ありがたく思うよ。
あんたのおかげで私まで...
ってのは言い訳なんだけどね。

【ありがとうございます絢人様~】


──【梨心ちゃんと学校行ってんのかよ~??】

鋭いなぁ。ま、行ってるよ、頭の中では。

【行ってるよ。余計なお世話

友達は、ひとりもいないけど。】

ほんと、なんで友達できないんだろう。


そんなやりとりをしていると


────コンコン

「梨心ちゃん?起きてる~?」

そんな声とともに奈津子さんが部屋に入ってきた。

なんだろう?心配してるのかな.......。

「奈津子さん、おはようございます。」

「あ、置きてたわ良かった!!
さっきね、先生から電話があったわよ。
担任の先生だったわ。
私も、良孝さんも、梨心ちゃんがこんなに成長してくれて、ほんとに嬉しいのよ。」

奈津子さんは私の目を見て、そう言った。

「心配...かけてしまって、ごめんなさい。」

「いいのよ、行きたくなかったら、休めばいいもの。
でも、私、梨心ちゃんが楽しく高校生活送れるように。って毎日ちゃんとお祈りしてるからね?何かあったら、何でも相談してね?」

奈津子さんは、すこし悲しそうな顔をした。
私が何も言わずに、休みたいの一点張りだったから、心配してたんだ.....。
ほんとに、ごめんなさい.....。

「明日からはちゃんと学校行くね」