涙色 ~先生に恋した高校生~


状況がつかめずしばらくの間その場に座っていたら、階段の方から足音が聞こえてきた。

あちゃ~、サボってるのバレちゃう...。
ガックリして俯いていると
足音が近づいてきて、聞き覚えのある声が。

「何してるん?そんなところで」

思わず驚いて顔を上げるとそこにいたのは橋本先生。

どき、どき。

「おっ!こないだの新入生やんか!
足は治ったか???ほんで、何してるんや?こんなとこで。迷子にでも、なったんか~?人探し?それとも、俺を探してたんとちゃうか~?」

またあの時のようにしゃべり続け、ふざけて笑う橋本先生。

「うん。

────探してた.....」

「ん????なんや
ほんまに探してたん?悪い悪い。」

今日は白衣を着ている橋本先生。

お礼を言いたかった橋本先生。

────会いたかった、橋本先生。


.....自分でもビックリした。
そんな感情があったことに。

「足、治ったんか?」

そう言って橋本先生はしゃがんで私の顔を覗き込む。

あの時のように、同じ光景。
先生の顔が近くて、その瞬間ふわっといい匂いがして。
長い前髪が揺れてその奥から見える綺麗な瞳。


ああ、好きだな、って。

私、橋本先生に一目惚れしてたんだ、って。

いま、気づいた。

────会いたかった、あなた。