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パチッ


目を覚ました。
やばい、明日テストだよ....。

時間を見ると深夜の2時をさしていた。

今日は奈津子さんがいなくて...奈津子さんが作ってくれてた夜ご飯を食べて、お風呂に入って....勉強しようと机に座って.........

最悪だ。寝てしまってた。
明日のテスト科目は、
確か、英語と古典と生物だったはず。

文系の私に英語と古典は楽勝もの。
やばい、生物.....!
生物って何すればいいの?

私は小さい頃から理科が大ッ嫌いだった。
数学はなんとかいけるんだけど...
化学とか...物理とか生物とか......ほんとに出来ない。

1年1学期の中間テストで失敗なんて出来ない!


必死の思いで勉強をし、気づけば時計の針は7時をさしていた。

ふぁ....結局寝れなかったよ。
眠たい目をこすって学校へ行く準備をする。

カーテンから差す太陽の光でさえストレスになるくらい、今私はとてつもなく機嫌が悪い気がする。

自業自得だとは分かってるけどイライラは収まらずそのまま学校へ。


席に着くやいなや絢人からの視線に気づく。

「......はよ。」

ビクッ

絢人が一瞬震えたように見えたのは気のせい?


「お、おはよ梨心.....」

絢人は私の期限の悪さに気づいたのか若干失笑ぎみ。

無言でテスト勉強を始める横でひよこを育ててる絢人はテスト勉強してんのかな...。
授業もよくサボってたし休み時間は大体ひよこだし.......
もしかして自他共に認める赤点勢?

赤点だなんて絶対嫌だ。

この桜ヶ丘高校では
定期テストで赤点が3つ以上あれば、その時点で確実に留年が決まる制度になっている。
もし赤点を3つ以上とってしまった場合でも、その後の先生から下されるミッションをクリア出来れば留年は間逃れる...って噂だけど。

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そうして3日間のテストがようやく終わった。

「ふぁ~終わった。」

テストを回収して教卓に持っていく。
1番後ろの席って、プリントとか回収しなきゃダメだからちょっと面倒臭いんだよね。

「絢人、テストどうだった?」

「んー?まあまあかなー、そんなことより、ひよこ......」

もうお前がひよこになれよ!


テストが終わったはいいものの、
赤点が何点からなのか分からないし....。
明日はすぐにテスト返却だって言ってたし......。

しかもこの学校、テストの順位が張り出される。
最悪だよね?
プライバシーの問題だよ.......!


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そうしていよいよテスト返却の日。

絢人はいつも通り机にドカッと座りクラスメイトに威嚇している...かのように見せかけひよこだ。
もはや絢人がひよこなのかひよこが絢人なのか訳が分からない。


チャイムが鳴りみんなが席についた頃。

「じゃあテスト返却するぞ~、全部束になって渡すから名前呼ばれたら前に取りに来い。」

担任が言うには、ここ3日間で行われたテスト9科目が一斉に返ってくるとのことだ。

順番に名前が呼ばれ私もテストを取りに行く。

英語 96点
古典、現代文 98点......

私のテストには見慣れた点数がずらっと並ぶ。
その他も数学が89点
世界史と日本史はどちらも100点
保健99点

恐る恐る最後の2枚をめくる。

......生物 "79点"
......物理 "85点"


やった!!!結構高い!!!

心の中で喜んで、絢人にも結果を聞いてみる。

「絢人、どう?」

「んー、ひよこって感じ」

.....伝わらない!!

まあ、絢人のことだから......
多めに見てあげよう!

「ま、次頑張ろうよ。」

適当に声をかけ席に着く。

「順位は明日の朝廊下に張り出されるからなぁー!覚悟しとけよ!!」

担任の先生はそう言いながら教室を出ていった。

つるっぱげめ...........