────ガラッ
クラスメイトの視線が痛い。
そりゃそうだよね。
5時間目、とっくに始まってるし....。
私は視線に気づかないふりをして自分の席に戻る。
隣には爆睡している絢人。
呑気だな、ほんと。
私は机に伏せて絢人の方に顔を向ける。
絢人って普段はいかついくせに、案外可愛い顔して寝るよなぁ。
髪の毛もサラサラだし。
────ふわっ
絢人の方へと手を伸ばし髪の毛を触る。
サラッサラ。笑
────────バチッ
!?
急に絢人が目を開けて私は驚いて手を引こうとした。
ガシッ。
え
絢人は私の手をつかんだまますぐに目を閉じた。
......私の周りで今、この新種の何かが流行ってるの?
先生にしろ、絢人にしろ。
絢人の掴んだ手からスルッと手を抜き
教科書とノートを出す。
────パサっ
教科書を机の中から出そうとした時、小さな紙切れが落ちてきた。
ん?なんだろう。
【どこ行ってたの?(´・ω・`) あやと】
.....ぷぷっ
何この顔文字、可愛いんだけど。
絢人らしくない
てか、絢人の字が既に可愛い。
本当は女の子なんじゃないの?
心配してくれてたのかな。
絢人はいつも私のことを心配してくれるね。
いつも、ごめんね?心配かけて。
先生のとこに言ってたなんて、口が滑っても言えないけど。
