────────ガチャ
しばらくして屋上のドアが開き、梨心が入ってきた。
腰を低くしていかにも俺の機嫌を伺ってるような感じで、さらに上目遣いで。
可愛すぎだろ?反則じゃねえ?
本人は自覚してないだろうけど。
「よぉ
おめーなんで学校来なかったん?」
平然を装うばかりに口調が悪くなる俺。
あー、もう。
梨心は言った。
「友達いないし、絢人もいないしっ...」
完全に俺のせいじゃん。
俺が友達なんて1人いれば充分とか言っちゃったし。
その後フェンスの方に行ったら梨心は後ろをアヒルみたいについてきた。
「お前ほっとけない、マジで。」
「ごめん私が、もっとしっかりしてたら......。
もう学校休まないし、ちゃんと...」
ちげーよ馬鹿、「そうじゃねーよ」
「え?」
梨心は、不思議そうに俺を見た。
俺がずっと心配してたってことを告げると、梨心は少し涙目になっていた。
「絢人がそんなふうに思ってたなんて知らなかった、ごめんね。」
梨心は俯いてそう言った。
別にごめんが聞きてえわけじゃねえ。
「俺、お前のこと何にも知らねぇよ....」
そのとおりだった。俺は梨心のことを何にも知らない。
知ってるのは名前くらいだ、本当。
梨心がたまにする遠い目に、どんな理由があるのかも、梨心の過去に何があったのかも、俺なんにも知らねえよ。
「絢人、ありがと。心配してくれてたの、気づかなかった、ごめん....。」
梨心は俺の横に座ったまま顔だけをこっちに向けてそう言った。
左目からだけ、涙が出ていたのを俺は見た。
あー、泣かせちゃった。
こんな綺麗な涙、初めて見たけど。
「俺、梨心のこと好きだ。」
......................................................
正直俺も何言ってんだって感じだよ。
だって今言うことじゃねえだろ?
何言ってんだよ、俺......。
見ろよ梨心の顔を。
目ん玉飛び出そうじゃん..........。
「........えっ?.......」
「梨心が好きだって言った。」
こうなったら開き直るしかねえ。
なんだよもう。聞き返すなよ。マヌケ。
「え!????」
声がデケえよマヌケ!
取り返しのつかないことをしてしまった俺は今すぐこの場から逃げたかった。
あたふたする梨心の頭を引き寄せて
綺麗な髪の毛の上にそっとキスをした。
結局俺は手を出すのがはえーよ。
昔からそうだ。
こうゆうことは慣れてるから
なんの恥じらいもなく出来る。
それを俺は今、好きな女に、軽々しくやってしまった。
逃げるにはこうするしかなかった。
多分梨心は、こうゆうの慣れてないと思うから。
「考えといて」
放心状態の梨心をその場に残して
俺はそそくさと屋上から立ち去った。
階段のドアにもたれ、俺は後悔した。
はぁ~~~~~~~~.......クソ。
そのまま数分が経ち、教室に戻る途中
やっぱり梨心が心配になってまた屋上に戻ろうとした。
─────────ガ.......
屋上の扉に手をかけた時
微かだか梨心と、誰か男の声が聞こえてきた。
