先輩の笑顔に惚れました*。

「はぁ、はぁ、んぐ、はぁ」


紅蓮高校で入学式が始まる 丁度5分前
その頃、天野苺は我武者羅に走っていた


元の顔はどこへやら
ギャルメイクをして悪い意味で別人になった彼女は
叫び呟きながら走り続ける


「うをぉーー!」
「駄目だ、もう駄目だ、私はオワタ!」


その姿はもはや怪物


道行く親は「見ちゃダメ」と子の目を隠し

タクシーを止めようと伸ばした手は完全にスルーされ
それからは一向に彼女の近くにタクシーどころか車一台現れず


もう彼女にはただただ走るという選択肢しか残されていなかった


「うをぉぉぉぉぉお!」


それまでより更にスピードを上げた彼女は
9時10分、ようやく紅蓮高校の体育館前に着いた