只今、7時45分


「お母さーん、聞いてー」


ご飯を食べ終え、化粧に取り掛かりながら
彼女は母親に話しかける


「なーに、苺ちゃん?」

「私に彼氏が出来る夢見た」

「あら、予知夢だったりしてね!」

「ちょ、苺に彼氏とかありえないから」


新聞を読んでいたはずの紅花が吹き出す


「そんな事ないわよ、こんなに可愛いんだから」

「ない、ない」

「姉ちゃんひど!」

「お前たち、もうそんなに余裕ないぞ」


これまで黙っていた父親が時計を指差す

時計は8時半を指していた

入学式は9時から


「クッ! いつの間に ...」

「ふざけてる場合じゃねぇ」

「どうしよ、まだ化粧終わってない ...もうこのままで良いか」


そう言った彼女だったが、そこはギャル魂


「姉ちゃん、先に行っててくれ」


覚悟を決めた