ピピピピッピピピピッーー

「 ふわぁぁあ。」

何時だぁ?...5時30分?
なんだ、まだ寝れるじゃん...

私はもう1度眠りにつくため目を閉じる

...って、

「 入学式だっ!」

そう、今日は私が入学する鈴見高校の入学式。

鈴見高校はすごい進学校だけど、お兄ちゃんの利太にぃがいる学校だからがんばって合格を掴みとったんだっ!

私はガバッとベットから降りた

今日はバッチリメイクして、髪も高く結ってゆるふわに巻く!
制服のスカートも短くして、っと。

「 カンペキ!」

ふふっ。利太にぃにも見せに行こっ

コンコンッーー

「 ...なんだよ 」

利太にぃの部屋をノックすると低い声が聞こえた

と同時に扉を開けた。

「 おはよ利太にぃ!
じゃじゃん!どうですか!制服、似合ってる? 」

自信満々で言った

「 ...どうでもい。」

...なによ、こっち見もしないでっ。
なんでこう、無愛想なの。


そう、利太にぃは凄く無愛想です。

子供の頃は、一緒に笑って一緒に泣いて一緒に叫んで。
とっても仲良しだった

けど、中学に入った頃からは、私が話しかけても「ふーん」とか「それで?」とか。全く会話をしてくれないんだ。

私が考えて考えた末...

血の繋がらない兄妹だから。

っていうのが1番しっくりきたんだ。

利太にぃが5歳、私が3歳の頃に利太にぃのパパと私のママが再婚した

それだけを聞いたら深刻って思うかもしれないけど、
そんなのもうとっくに問題外だ。
昔から知ってたし、私と利太にぃが仲良しなのは変わんないし。

はぁ。私はもっと利太にぃと話したり、笑ったりしたいのに。

「 ...利太にぃ。一緒に学校行こ...? 」

答えはわかってるけど、一応聞いてみた

「.........」

無視...か。

ガチャーー

静かに扉を閉めて、階段を降りた。

「 あら。可愛いじゃない!」
「 おぉ、似合ってるじゃないか。」

1階ではパパとママが褒めてくれた

「 へへっ、でしょーー??でも利太にぃどうでもいいとか言うんだよー? 」

「 かわいい妹にそれはひどいなぁ。はっはっ。」

パパのいうとおり、妹なんだから可愛いくらいいってくれてもいいじゃんっ。

まぁ、とりあえず初めての学校だから気合い入れてこー!

気持ちを切り替えて家を出た

「 いってきまーす!」

ルンルンルンっ♪

学校が楽しみすぎてワクワクが止まらないっ

どんなクラスなんだろう。可愛い子いるかな。
仲良くなれたらいいな。

そんなことを考えていたら、

ドカッーー

「 いったーい! 」

きづかず電柱にぶつかってしまった

衝撃で尻もちをついた私はため息をついて立ち上がろうとした。

グイッーー

んっ!?

「 何やってんだよ、恥ずかしいやつだな。」

この声はっ...

「 たかが入学式ではしゃぎすぎだっつうの 」

「 利太にぃ!! 」

利太にぃがおきあがらせてくれたんだっ
なんだか嬉しいな...!

「 ありがと利太にぃ! 」

またぶつからないように、落ち着いて落ち着いて。
ふぅぅぅ。よし!

「 利太にぃ一緒に学校いこ。 」

さぁ......なんてくる...!

「 ...いいよ。」

ですよねー。わかってるよ、最初から。
どうせやなんでしょー。
って、...え!?

「 り、利太にぃ、今いいよって言った? 」

利太にぃはめんどくさそうに、

「 いった。1回で聞けよ。」

うわうわうわうわうわうわっ
やったぁーーー!
なんて今日は幸せな日なんだ!
この利太にぃが一緒に学校行ってくれるなんてっ

「 あのさぁ、学校では利太にぃって呼ぶの禁止な。」

「 え、な、なんで? 」

「 なんでも。あと、兄妹ってのもみんなに内緒。」

え、なんでなんで?
え、ていうか、利太にぃ禁止って、なんて呼べばいいの?

利太?利太郎?りっくん?りっちゃん?
うーん。

わっかんないよぉぉぉお!

「あ、ちょ、利太にぃまって!」

色々考えてたら利太にぃが先に歩いていた