私と蒼が出会ったのは、今から一年前。

そう、入学してきたばかりのことだった

私と蒼は同じクラス。


クラスの人たちは日が立つたびに友情が芽生えていき中学校生活を楽しんでいた。

だけど、蒼には友達ができていなかった。

それは、小学校から噂が流れていた

『蒼の両親は、蒼を捨てた』という噂。

私は、よく分からなかった

でも、蒼が屋上で一人で泣いて苦しんでいることは誰よりも知っている。

蒼は、私が屋上に来たら私だけに本音を打ち明けてくれた。

『ほんとは友達がほしい』

『捨てられたけど優しいおじさんが助けてくれたこと』

『死にたいほど苦しかったこと』

私に隅から隅まで打ち明けてくれたんだ。