映画まで時間があるということで、先にご飯を食べることになった。


花純の希望でレストラン街にあるパスタのお店にやって来た。


スパイスの香りがお店の中に漂って、それだけでお腹が鳴りそう。


「俺はホタテとブロッコリーのクリームソースパスター!」


「菜都はどれにする?あたしはねー、カルボナーラ!」


「えーっと……どうしようかな。ナスのミートソースも美味しそうだし、和風きのこも美味しそう」


これだけ種類があったら迷っちゃう。


どっちも食べたいけど、さすがに2つはキツいもんね。


「だったら、俺と半分こする?」


「え?」


「俺も両方食いたいと思ってたところだから」


えー、で、でも……。


いいのかな?


そりゃ嬉しいけど……矢沢君に申し訳ない。


「菜都ー、せっかくなんだしそうすれば?」


「そうだよ、春田さん。晶斗は春田さんにいい顔したくて必死……いてっ。おま、人の足蹴ってんじゃねーよ!」


「お前が変なこと言うからだろ」


「言ってねーだろ、ホントのことしか!」


「ウザい」


あわわ、何となくケンカになりそうな雰囲気。


「じゃ、じゃあ半分こする!さ、頼もっか!花純、ボタン押して」