死んだら、人ってどうなるんだろう……。
なんて唐突な疑問。
夕暮れ時の河川敷の土手に腰を下ろし、水面に反射する綺麗な川を眺めながら、そんなことを考えていた。
この河川敷の両脇には桜の木が植えられていて、春になると見事に綺麗な桜並木が出来上がる。
屋上だったり、駅の上の広場だったり、河川敷だったり。
たまに場所を変えて、こうやってぼんやりするのが好き。
ぼんやりしながら、頭では先のことを無意識に考えちゃう。
本当はもっと……もっと。
色んなことがしたい。
矢沢君の彼女になりたかった。
色んなところでデートして、たくさん思い出を作って笑って過ごしてみたかった。
花純とだって、色んなところに遊びに行きたかった。
最近、手足が痺れてうまく動かせないことがある。
歩くのも足がもつれて、転びそうになる回数が増えた。
頭痛だったり体調が優れなかったり、そのせいでボーッとして花純に呆れられたり。
いつまで普通の生活を送ることが出来るんだろう。
「はぁ」
芝生の上にコロンと寝転んで空を見上げた。
オレンジ色に染まる綺麗な秋空。
この時期、日が沈むのが本当に早いからあっという間に夜がやって来る。
このままどこかに行けたらなぁ。
どこかに逃げてしまいたい。
このまま……音もなく静かに消えたい。
なーんて……。