「ど、どうして……あたしの名前」
今まで目が合ったことは何度もあったけど、話したことはなくて。
興味を持たれていないと思ってた。
「さすがに半年も一緒にいたら、クラスメイトの名前ぐらいは覚えるだろ」
「あ……そ、そうだよね。うん」
だけどね、住む世界が違う矢沢君に知られてるとは夢にも思わなかったんだ。
意外だ。
まさか、こんな日が来るなんて。
いつも見ているだけだった憧れの矢沢君と話してる。
ぶっきらぼうで無愛想で女嫌いでクールで、あたしの中の矢沢君はそんなイメージ。
だけど男友達の前だと笑ったりふざけ合ったりして、女子の前とはギャップがありすぎる。
そんな矢沢君に目を奪われるようになったのは、いつからだろう。



