「あた、し……生きてる、よね」


「当たり前だろっ。大丈夫だっつっただろうが」


切羽詰まったような涙声。


うそつきだね。


泣いてないって言ったくせに。


「よかっ、た。生きてて……よかった」


あの時、諦めないでよかった。


生きたいって願ったから、神様がご褒美をくれたのかな。


生きたくても、生きられない人がたくさんいる。


どんなに願っても、助からない命がある。


あたしが助かったのは偶然だったのかもしれないけど、運命だって思いたい。


与えられたこの命を精いっぱい生きて行く。


この先どんなにツラいことが待ち受けていようと、乗り越えられそうな気がするよ。


生きてる限り、なんだってできる。


助かって、初めてそれがわかった。


生きてるだけで奇跡なんだ。


幸せなんだ。


「なに泣いてんだよ……」


晶斗の顔が目の前に迫って、思わずドキッとする。