菜都のことを考えなかった日はない。
毎日毎日あいつの笑顔を思い出しては、どうしてんのかなって。
無事なのかって、ずっと不安だった。
「気になってるに、決まってんだろ……」
こんなに好きなのに。
もう一度、あいつの笑顔が見たい。
「だったら、なにを迷う必要があるんだよ。今行かなきゃ、絶対に後悔すんぞ」
「…………」
後悔、か。
俺はただ現実から目を背けて逃げているだけ。
ちゃんと向き合わないと、いつか後悔する日がくるのはわかりきってる。
もう二度と会えなくなってもいいのか?
菜都に触れられなくなってもいいのかよ?
よくないに……決まってんだろ。
もう一度、もう一度この手で菜都に触れたい。
薄れていく菜都の温もりを、この手に取り戻したい。
……会いたい。
会いたいんだよ、お前に。
もう逃げるのはやめる。
怖くても前を向いて歩いて行かなきゃいけねーよな。
会いたいから、会いに行く。
たとえ後悔することになっても、自分の気持ちに正直に生きたい。
だから、待ってろよ。



