「会いたいんだろ?なっちゃんに」


「べつに……」


「強がるなって。バレバレなんだよ、お前を見てたら。何年一緒にいると思ってんだ?」


「…………」


「会いたい時に会わないと後悔するぞ」


正論すぎてなにも言い返せなかった。


俺だってわかってんだよ。


後悔することになるかもしれないって。


だけど動けないのは、本当は菜都がどんな状態なのかを知るのが怖いからなのかもしれない。


絶対に帰ってくるって信じてるのに……怖い。


はは、情けねーな……俺。


怖いってなんだよ。


恐怖を感じているのは菜都のはずなのに、俺がそんなこと言ってどうするんだ。


マジで弱え。


「ついて行ってやろうか?弱虫晶斗くん」


「だから、べつにそんなんじゃねーって……」


しかも、弱虫って。


お前に言われたくないっつーの。


「二度と……会えねーかもしれないんだろ?」


陽真にしては珍しく真剣な声だった。