信じたくないから、俺は信じない。


菜都は絶対に大丈夫だ。


大丈夫だ……。


大丈夫……だよな?


「あーきと。お前、最近元気なくね?」


机に突っ伏していると、陽真がポンと俺の頭を小突いた。


「ち、昼寝してたのに」


恨めしく思いながら顔を上げ、目の前に座る陽真を軽く睨む。


邪魔しやがって。


「悩みごとでもあんのか?」


「別にねーよ」


「うそつくなって。なっちゃんが休んでるからだろ?」


そう言ってニヤニヤしながら、陽真は空席になっている菜都の席をチラ見した。


「は?」


なっちゃん?


「なっちゃんが休んでると寂しいよな。ま、お前の気持ちはわからなくもない」


「人の彼女を名前で呼んでんじゃねーよ」


「出たー、出ました!晶斗の嫉妬!」


「そんなんじゃねーよ。ただ、気に入らねーだけだ」


「それを嫉妬っつーんだよ」


クスクス笑われて、なんだか悔しかった。


陽真にからかわれるとイラッとする。


でもそれは図星を指されたからだ。


菜都のいない学校はやる気が出ないうえに、つまらない。


「大丈夫なのか?なっちゃん、ここ最近ですっげー痩せたよな?なんかの病気とか?」


「大丈夫に決まってんだろ?変なこと言うんじゃねーよ」


思わずムキになって言い返した。