強くなるって決めたけど。
「強くなんか……なれ、ないよっ」
いなくなるってこと、そんなに簡単に受け入れられない。
死んだらどうなるの……?
どんな風に死んでいくの?
苦しい?
孤独?
寂しい?
切ない?
「死にたく、ないよ……っ」
ポロポロとこぼれ落ちる涙。
胸が苦しくて、うまく息が吸えない。
晶斗に言っても困らせるだけなのに、誰かに吐き出さないと恐怖に押し潰されそうだった。
「なに、言ってんだよ。菜都は、菜都は……大丈夫だって」
「気休めは……いらないよっ。晶斗も、わかってるでしょ……?」
あたしがいなくなる未来は、そう遠くないってこと。
負けたくないのに、負けそうになる。
もっと頑張りたいのに、もう頑張りたくないと思ってる自分がどこかにいて、そんな自分に心が侵食されていく。
「それでも俺は……諦めないって、前にも言っただろ」
ズズッと鼻をすする音が聞こえた。
晶斗の目が潤んでいる。
「あたしは……もう、くじけそうだよ……っ。楽になりたいって……思っちゃう」
弱さに負けそうになる。
いっそこのまま楽に死ねたらって……。
「んなこと……言うなよっ。信じてたら、未来は変えられるんだよっ」
「でも……っ」
「うっせー……っ。俺は……絶対に諦めないからな」