「ツラい時は吐き出せ。全部受け止めてやるから、ごめんなんて言うんじゃねーよ」


温かくて、優しくて、心地よくて。


晶斗はいつだって、あたしの弱い心を包み込んでくれようとする。


「うん……ありが、とう」


ギュッとギューッと抱きついた。


すると不安が全部吹き飛んだような気になるから不思議。


晶斗といると安心する。


ねぇ、大好きだよ。


晶斗の温もりを忘れたくない。


ほんとは晶斗だって怖いはずなのに、そんな風に言ってくれるなんて。


どれだけ優しいの。


「俺は……菜都のためならなんだってする」


「……っ」


「だから、ツラかったら俺のそばで泣け」


「……っ」


「全部受け止めてやるから」


「うん……っ」


「それに俺は……誰がなんて言おうと、菜都の命を諦めない」


「……」


なにも言えなかった。


だって、あたしはーー。


「なにがあっても絶対に俺は、それだけは諦めない」


あたし自身が真っ先に、生きることを諦めているんだから。


晶斗もきっと、それをわかってる。


わかっていて、こんな風に言うんだ。


「諦めたら、そこで終わりなんだよ……」


切なげな声が、頭の中で何度も何度もこだました。