だからお願い……。


最期の時まで、そばにいて。


「晶斗……あたし……っあたし」


大きなその背中にギュッとしがみついて顔を埋める。


「ほんとは、めちゃくちゃ怖い……」


この世からいなくなってしまうこと。


みんなから忘れられてしまうことが。


ほんとは……もっと生きたい。


なんであたしがこんな目に遭わなきゃいけないの。


ずっと一緒にいたいよ……。


好きになればなるほど、そんな想いが強くなる。


このままずっと一緒にいられたら、どんなにいいかな。


ワガママなあたしでごめんね。


「どんなことがあっても、俺はこの先もずっと菜都のそばにいる」


晶斗の大きな背中が、晶斗の声が、小刻みに震えている。


あたしは泣かないように大きく息を吸い込んで、ゆっくり吐き出した。


晶斗を不安にさせちゃダメ。


なにやってんの、あたし。


「……ごめんね」


もう弱音は吐かないから。


強くなってみせるから。


だからお願い、最後の最期までそばにいて。


晶斗がいてくれたら、きっと大丈夫だから。