離れたくないよ。


ずっと一緒にいたい。


くっついていればいるほど、そんな思いが胸からあふれそうになる。


「菜都……マジ好き」


「ん……」


唇が離れたわずかな隙に、そんな甘い言葉を囁くズルいキミ。


そんな目で見ないで。


離れられなくなる。


もっと、好きになっちゃうから。


「菜都は俺のこと……好き?」


「…………」


手をギュッと握って、すごく切なげな顔。


「晶斗……」


「答えろよ」


「…………」


「なぁ、聞いてんの?」


「……好き、だよ」


晶斗の切なげな声を聞いていると、ガマンできなくなって本音を口にしてしまった。


言わないって決めたのに、全然ダメだ。


あたしのことは、忘れてくれていいって思ってたはずなのに……。


ダメだ。


ムリだ。


嫌だ……。


「ウソじゃねーんだよな?マジ、だよな?」


「うん……好き、だよ」


「ずっと、不安だった。菜都は俺のことをどう思ってんのか。今の言葉、忘れねーからな」


ギュッと抱きしめてくれる腕の温もりに涙が出た。


「うん……忘れないで」


あたしのこと、ちゃんと覚えていてほしいよ。


忘れられるなんて、絶対に嫌。


どんな時でもそばにいて。


キミが笑ってくれるなら、あたしはなんだってしてみせるから。