そんなこと初めて言われた。
えへ、なんだか嬉しいかも。
「ありがとうございます!」
ペコッと頭を下げる。
顔を上げたら目が合ってしまい、とっさにニコッと微笑んだ。
「やだ、菜都ちゃん超可愛い〜!好きだな、菜都ちゃんのこと」
か、可愛い?
「ねーねー、晶斗のどこがよかったの?女同士でいろいろ話そ!」
「え、えっと……」
どうすればいいのかわからずにオロオロしてしまう。
それでも、お姉さんはニコニコと楽しそう。
「やめろ、菜都が困ってんだろ」
「いいじゃん、将来家族になる子かもしれないんだから!ケチケチしないの」
「……な、なに言ってんだよ、バーカ」
「なっ、お姉さまに向かって。菜都ちゃーん、晶斗ってガキだと思わない?」
「菜都、マジで相手にしなくていいから」
「あ、えっと……でも」
「いいから、俺の部屋行くぞ」
「えっ……?」
いいの、かな……?
「菜都ちゃんが可愛いからって、変なことしちゃダメだよ」
「し、しねーよ……!変なこと言ってんじゃねーよ、クソ姉貴」
なぜかテンパる晶斗に手を引かれてリビングを出た。