イライラしていたせいなのか
仕事より大切なスマホを受付カウンター下に忘れ、会社を出たのにまた戻る私。
バカだなもう。
イラつきながら受付に向かうと
背の高い男性とぶつかった。
「ごめん。大丈夫?」
アルマーニのスーツから上品なシトラスの香りがした。
これは
クロエのカプシン。
一流の男が付ける香り。
「大丈夫です。すいません」
謝って顔を見ると
なんとぶつかった相手は社長の息子。
先月
海外支社から戻ってきた御曹司。
背が高くてイケメン
洗練された大人で独身。
お金持ちの王子様。
「えーっと受付嬢の室岡さん?」
王子様が私の名を呼ぶ。
信じられない奇跡。



