『ピーンポーン』
音乃の住んでいる家も音乃の両親の別荘だがそれと同じくらいの大きさの別荘に音葉先輩は住んでいる
音乃にはあそこが別荘だとは伝えていないそうだ
「裕司様ですか
お久しぶりでございます
それと...
成津谷も。
何年ぶりだろう...
まぁ、2人とも音葉様に用でしょ?
上がって」
そう言われて中に通してくれたのは音葉先輩の世話係をしている翼梅だった
中に入り客室で待つと私服の音葉先輩が入ってきた
「なんだ、この時間に
成津谷まで」
そう言われて俺は口を開こうとすると成津谷が先に
「申し訳ありません
音乃様を怒らせてしまいまして音乃様に二度と顔を見せるなと言われました...」
そう言うと乙葉先輩も翼梅もすごく驚いた顔をしていた
「俺が悪いんだ
成津谷は悪くない...
先輩のいいつけを守らなかったからこんな事になった...
成津谷と音乃の間を壊すつもりはなかった...
怒るなら俺を怒ってくれ...」
そう言うと音葉先輩はすごい形相で近寄ってきた
『ガッ!』
すごい音がしたと思ったら急に頬に物凄い痛みが走って床に座り込んでいた
「音葉様っ!」
翼梅が大声を上げる
顔を上げると椅子に座る音葉先輩と俺に近寄って来て心配そうな顔をする翼梅、横で呆然としている成津谷が見えた
痛みが走った頬を撫でてみた
痛みで感覚があまりなくて
発作の時の痛みとは違くて、初めて知った痛みだった
殴られたことなんて一度もない...

