「俺、ちょっと機嫌取り行ってくるよ

どうせ成津谷は話すら聞いてもらえてないんでしょ?」



そう笑顔で言うと成津谷は申し訳なさそうに手を前で合わせて笑った



「部屋にいるから
よろしく」



そう言われて音乃の部屋の前まで向かうとなんと声を掛けようか困った...



『コンコン』



「音乃、
話がある
俺の事嫌いかもだけど...
聞いてほしい」



返事なんて無い...



「このままでいい...
俺と音乃はよく似ているんだ、
だから昔から俺は君のことを知っていた...
婚約者なんて名ばかりだよ
家同士の繋がりが何か欲しいんだ


実際にその年になっても結婚なんてしないよ
出来ない.....
心配しなくていい.......


だから君の愚痴を聞くくらいでいいからほんの少しの間だけ仲良くしてほしい...」



そう言うと音乃は少し扉を開けて顔を半分だけ見せながらか細い声で



「どうして言いきれるの...?
馬鹿なんじゃない?」



俺は笑って頭をかいた



「入ってもいい?」



そう聞くと扉をもう少し開けて招いてくれた



俺は促されるように入りあたりを見た