「リカちゃん、「Heavenly」のチラシ持ってたよね?」
「うん」
「…見せてくれない…?」
「美結…」
少し微笑んで、リカちゃんはあたしにチラシを渡した。
今度は写真付きの
愛しい人の姿が載っているチラシを。
翔の姿を久しぶりに見た。
すごく素敵だった。
正直、会うのは怖い。
あたしの知らない一年間を知るのが怖い。
だけど
この写真を見て
会いたいと思う気持ちが込み上げてくる。
会いたい。
会いたい。
会いたい。
この気持ちは、もう止められない。
――…
「あ、麻生君。
ごめんね、いきなり呼び出しちゃって」
「いいよ。
でも、俺を呼んだって事は、翔に会う気になったって事?」
「…まだ…会うのは怖い。
だけど、ライブには…行ってみようかなって…」
「そっか!じゃあこれあげる」
そう言って差し出されたのは
次の「Heavenly」のライブチケットだった。
「5月4日。ちゃんと追いでよ」
「あっ、麻生君…。
あたしが行く事、翔には言わないでね…?」
「言わないよ。だから絶対見に行きな」
「うん。ありがとう!」
5月4日。
翔を見れる。

