「行きなよ。俺の事は気にしないで。 …もう好きな人の手、離しちゃダメだよ?」 「…はいっ!!」 笑ってそう言ってくれた先輩に背を向ける。 だけど、伝えたい事があったから、あたしは振り向く。 「先輩!あたしね…!! …ありがとう…!!」 『あたしね、先輩の事も、本当に好きだったよ』 そんな事、今更言えないよね。 だけど、本当に好きだったんだよ。 ただそれ以上に、大切な人が居たってだけ。 ごめんね、ありがとう。 早く、早く、翔に会いたい!