「やっほー、琢ちゃん。さやかとは順調?」

「やっほー、あおちゃん。別に不調ではないけど」

彼女は俺と同じ吹奏楽部に所属する梅木蒼ちゃん。トランペット担当の天然少女で、賢太くんの彼女。みんなからはあおちゃんと呼ばれている。


あおちゃんにつられて俺まで『やっほー』なんて言ってしまった。俺、そんなキャラじゃないのに。


「いいですねえ、ラブラブで」

「俺らは別にそんなんじゃないよ」


部活が休みだったGWの最終日は、めちゃめちゃ天気がよかった。

北海道のくせになぜか気温が25度を超えやがって、絶好のレジャー日和だった。


一日中ワンダージョイパークで遊び尽くし、散々はしゃいだあとはぐったりして、夕方の5時には家に着いていた。

絶好調に童貞街道はまっしぐら。どうせゴムも買うことができなかったし、仕方がないんだけど。