「はい、ブラックにカフェオレ。ねえ賢太くん、今度俺ともプリクラ撮ってね」

「お前、これ以上プリクラの予定増やすなよ」

「え、もしかして賢太くん、プリクラ嫌いなの?」

「……苦手なんだよ」


ちなみに写真となると、そこまで苦手なわけでもない。

プリクラの場合は、まずあの機械に群れる女子の中で並ぶのが嫌なんだ。


いざ撮影ってときの、あのテンションの高い音声にも引いてしまう。


そして極めつきは落書き。

さっきの若月のときも、蒼のときもそうだけど、俺に落書きを勧められても遠慮してるわけじゃないんだ。ただ書けないだけなんだよ。


今撮ったこれだって見てみろよ。

若月が書いたやつだけど、俺らの名前がひらがなで書いてある。

『わか』『けんた』って。


……こんなの、鳥肌が立ってしょうがない。