「賢太くん、今日あおちゃんも誘えばよかったのに。さっき部活で勉強会のこと言われたよ」

昨日はあれから、蒼のメールに返信はしなかった。


『邪魔ってわけじゃない』って、一言言ってもよかったかもしれないけど、あえてそうやっていうのも、なんか違うんだよな。


「最近、あおちゃん悩んでるみたいだよ。こないだも、賢太くんが俺らに自分の話とかするの？って聞かれたし」


「賢太くんってわかりにくいからね。大げさなくらいの愛情表現じゃないと伝わんないんだよ。一週間に一度は愛してるって言わなきゃ」


「はあ？いいからここの解き方教えろ。どの公式使うんだよ」

「教えてもらう立場でえばりすぎ。この無愛想大魔王め」


愛してるなんて死んでも言えない。そういうことは言葉にしたら一気に嘘くさくなる。

だけど、蒼が琢に愚痴をこぼしていたなんて知らなかった。


俺が思っている以上に、蒼を不安にさせてんのか？