私は二階の自分の部屋にこもり、心の中でこうどなり続けた。『あの非常識ババァ!クソババァ!サイテーサイテーアホアホアホ!!』

だって、あのあと、お母さんはまたまた私のスマホを横取りして、チヒロちゃんにメッセージを送った。『これも登録してくれる?(ラインの登録に必要なデータを書いてあった)』って!私になりすまし自分のデータを登録させてさー!!そして十分後くらいにこんなメッセージが来た。


「ちょっとぉ、レイカちゃんのお母さんマジウケる~!ww
ホント変わった人だねぇ~!www

こんなの送ってきたんだよ~wwwwあーウケる~www
はい、スクショ!w」

私はチヒロちゃんが『w』を結構使うことにも驚いたけど、一番驚いたのは、チヒロちゃんが送ってきたスクリーンショット。

一番上に書いてある名前は……
今井ユリコ……お母さんの名前……

『こんにちはー♪今井レイカの母、今井ユリコでーす♪いきなりごめんね~!
チヒロちゃんっていうのね。不出来な娘だけども、仲良くしてね~!』

お母さんめ……何送ってんのよあのババァ……あいや、ババァじゃなくてお母さんです。


あー、絶対きらわれたねぇ。

友達なんて、やっぱり無理っす。

ていうか、なんでみんなは普通に友達作れるわけ?意味が分からないんですが。



……いやでも、まだ嫌われたって決まった訳じゃない。諦めたらそこで試合終了だね。

私は諦めないさ……!


ていうか、チヒロちゃんっていい人なのかな?
なんか、独特の雰囲気があって、なんだか不思議で少し怖いような……

ホントに、チヒロちゃんと関わっちゃっていいのかな……?

ホントに、友達になろうとしていいの……?



……



…………



………………



いや、友達にならなきゃ。だれでもいいから友達作らなきゃ、私、ずっとぼっちのままじゃんか。

なんで贅沢言ってんの。友達作らないと……


夜ご飯の時もお風呂の時も、私はそんなことを考えていた。

そして、布団に入るときも、チヒロちゃんへの不安は消えてなかった。でも、朝起きたら、すっかりなくなっていた。