着いたのはさらにボロい校舎。
窓から日光が入ってポカポカ暖かい。

「ほらほら、ふりふりでやろ!」
「わ、わかった。」

こうして私はライン交換をした。

「かんりょーー♪私、村田チヒロ!よろしくー♪」
「よ、よろしく」
「わー、レイカちゃんのスマホAndroidなんだー!うらやましぃ~!」
はい、私はチヒロちゃんのiPhoneが『うらやましぃ~!』、です。
こういうの、隣の芝生は青いってやつなの~ん?

……あ、この口調、中2の頃に大好きだったアイドルアニメのキャラクターの真似……やたらとことわざと慣用句と四字熟語を使いたがるキャラクター。

たしか、アレは、とっても人気で知名度が高いアイドルアニメだったな。
はじめは地味なスマホアプリだったらしい。
で、大人気だったんだけど、アニメ放送開始後から半年くらいたったとき、アニメ第一話はアメリカのアニメの丸パクリ、第二話はイギリスの短いドラマの丸パクリ。

ネット上でアニメのパクりが発覚して、
その上、アニメ監督とアプリのプロデューサーが、大物銀行強盗だったことが発覚して、人気はどんどん落ちていって、アニメも終わってしまって、アプリもサービス終了。
悲しいです。
大ファンだったから、めちゃくちゃ泣いた。
学校を4日もズル休みして、泣いてたくらい。
今でも思い出すと恋しい……

私の頭が完全にオタク色に染まり、
私は一人の世界に入り込んでいたら、
チヒロちゃんは後ろにいるたくさんの女子に向かって手をふった。

……?帰れってこと?でも帰る気配がないよ?

「あー、あと、一つお約束してほしいんだけど……」
「約束?」

友達になってくれるんだったら、約束の一つや二つ、どってことない!








「……既読スルーはナシね…?」









「うん」

「約束してくれてありがとっ♪じゃ、教室戻ろっか?」

「うん。」

私さっきから『うん』しかいってないなw



しかし、チヒロちゃんが言った
「既読スルーはナシね」

私はその約束の本当の意味、本当の怖さをわかっていなかった……



後々私を大きく悩ませることを……
とても後悔することを……

わかっていなかった……

ー既読スルーはナシねー