キーン……コーン……カーン……コーン……

「あ、チャイムなったー。帰ろー。アキ、麦茶のレイカちゃーん」
















チャイムが鳴って、よかった……

休み時間が終わって、よかった……


でも、チャイムが鳴ったのは、私を救ってくれたわけではなかった。

教室に入ると……

「!!」
クラスメイトが鼻をピクピクさせ、麦茶でびしょびしょになった私をガン見する。

「ねえなんか臭くない……?」

「お茶のにおい……」

「あの今井レイカってやつ何を……」




クラスメイトの冷たい視線が苦しかった。


転校して、高校生活のやり直しがしたい。
ていうか、赤ちゃんにもどって、人生やり直したい。

魔法使いになりたい。

魔法を使って、なんでも自分の思い通りになるようにしてみたい。

学校で、勉強でも、運動でも、友達でも、恋でも、トップに立ちたい。

魔法を使って、うざい人を嫌いな人を……


…………



その続きは出てこなかった。
答えはわかってるのに。

心の中でつぶやけなかった……





でも、数秒後、頭にまた出てきてしまった。





魔法を使って、うざい人や嫌いな人を……


コロシタイ……!

コロシタイ……!

コロシタイ……!





殺る気だけは十分あるよ……

ヤルキダケハジュウブン……!ジュウブン……!



その時、私の心で何か恐ろしい物が生まれた気がした。

その時から。イライラしてたまらなくなったのは。