今ここで泣いたって、どうにもならないのに…。

込み上げてくる、自己嫌悪の感情が。負の感情が。怒りの感情が。




「確かにさ、アタシだって1、2年の頃は、純粋に親友だと思ってたけどさー、中学年くらいで、あんたのことがウザくなってきてさ。なんでアタシはこんなウザくてダメダメな子と一緒にいるのかな?って。そのころからかな、影であんたの悪口言い出したのも。」


私の心が……

「3、5年は同クラじゃなかったけど、あんたの悪い噂なんか普通に生活してたら聞くよ?」

ナイフで刺されたかのように……

「ていうか卒業式!アタシ卒業証書受けとるのが始まる前からあんたの異変に気づいてたわ~だって、あんた、椅子カタカタさせて、めっちゃそわそわしてるし、股押さえてたしー!卒業証書もらいに行くには立たなきゃダメだから、漏らせ~、漏らせ~、って思ってたよ~まさかホントに漏らしてくれるなんてっ!

「キャハハハハ!!卒業式でお漏らしなんて、想像しただけでもウケる~!」

チヒロちゃんが口をはさむ。




「あ、レイカちゃん、本題に入るね。話がそれてたよ。」

「ほ、本題……?」

嫌な予感がする。
















「だってーぇ、レイカちゃん、またまた既読スルー犯しちゃったじゃん~!」

っ……!!

「その罰を、アキちゃんがやりたいって!」

「ええっ……!?」

「ふふっ、レイカ、いつかあんたをいじめてやりたいって思ってたんだよねー。アタシ遠慮はしないから!」

「な、何をするの……!?」


「これ。」

アキの後ろには四本の水筒。そしてチヒロちゃんはカバンをいじってる。

「チヒロ!縛って!」

「え……や……」

私は体育館の壁に無理矢理くっつかされられ、腕と脚をガムテープで固定された。

「や、やめ……て…………うっ」

口にもガムテープを貼られた。

「大声出されちゃ困るから。ついでに唇にベタベタ~!」

唇を押される。粘着力のいいガムテープがよりくっつく。

キュッ、キュッ。

四本ある水筒のフタを、アキは開けていく。


「それじゃあ、いっくよー!チヒロ、こんなチャンスをくれてありがとーっ!」


ばっしゃーん!!


またまた、ばっしゃーん!!


これ……私……お茶かけられてる……


麦茶のにおいがプンプンしてくる。



「うわー!ヤバー!麦茶レイカ~!」

「ちょ~アキ~!レイカちゃんブラ透けてる~!上着脱がせておいてよかったぁ~!」



「ちょ……!」



「わ~!レイカのブラババァっぽい~!」

「キャハハハハ!!ウケる~!」



麦茶と涙が混じったものが、私のほっぺたから滴り落ちた。

耐えなきゃ……私……