既読スルーはナシね

「ただいまー……」

玄関のドアがいつもより重く感じてしまう。

「あー、おかえりー。食洗機回すから、弁当箱ちょーだい。」

お母さん……って、弁当箱弁当箱。

ガサガサ……

「はい、弁当箱。」

「あら、よかった。完食ね。」

「うん……。」

ちがいます、完食なんかじゃない。
私は弁当の中身を公園に捨てただけなの…。

「唐揚げ美味しかった?」

「うん、とっても……っ!」

なにが『とっても』よ。
食べてもないくせに。

胸がチクリと痛み、苦しくなる。






「勉強してくる」

そう言って私は二階の自分の部屋に向かった……。