「ねえ、あんた、お腹でも痛いの?」

「……え?」

夜ご飯。私はチヒロちゃんの気味の悪いラインのせいですっかり食欲を無くしていた。

ちなみに、ブロックしてやろうと思ったけど、そんなことしたら絶対学校で何か……
と思ったから何もできなかった。




「今日はあんたの好きな唐揚げなのよ?あんたいつもかなり食べるのに、今日は1つも食べてないじゃない。」


そう、食卓には私の大好物、唐揚げが。
でも私は、1人一杯の白ご飯をお茶で流し込み、味噌汁も飲み込むのに必死だった。



「うん、ちょっとね……」

「吐き気?下痢?」

「……ただお腹が重いだけ…………」


本当の事なんか、言えるわけない。


ああ……唐揚げ食べないと、お母さんに心配かけちゃう……

私のスマホを取りあげて、チヒロちゃんに変なラインを送ったりと、意地悪なお母さん、正直そこまで好きではない。

でも、心配かけちゃうのは嫌だ……


私、お母さんの事が好きなのか嫌いなのか自分でもわからない。





これって、私が素直になれていないだけなんじゃ……










そんなことを考えながら、私は唐揚げを2つ食べた。

これ以上食べ物を口に入れた直後にお茶を飲んだら、お茶で無理矢理流し込んでるとバレちゃうから、唐揚げを口にいれる前にお茶を飲み、残せるだけ口の中に残し、唐揚げを口に入れる。唐揚げを入れるために口を開けるときがお茶を出してしまいそうで少し難しいけど、このやり方で唐揚げを柔らかくして食べた。
勿論味はあんまり。