大空へ向かって



もう少しで 一階だ……。



「相沢君…。」


えっ!?



麗美は立ち止まった。




「相沢君に、彼女が居るのは知ってるけど…。でも、好きなの…。チョコだけでも、もらって??」




栄助は 何て言うんだろう……。




「ありがとう…。でも、ごめんな…。」




栄助はチョコを 受け取った……。



でも、栄助…優しいね…。



あの女の子は 本気で栄助が好きなのに…。




見てもらえないんだ…。



麗美は ちゃんと、見てもらってる…。




麗美が あの女の子の立場だったら??



絶対勇気なんて出なくて、諦めたと思う…。



あの女の子は 勇気を出して告白したのに…。


振られたんだよね…。




麗美が 居なければ、あの女の子は 幸せになれたのかもしれない…。



麗美のせいで、あの女の子の勇気は 無駄になったんだ…。