大空へ向かって





━━━麗美は、泣きつかれて寝てしまった。




トントン。




きっと、お父さんか、お母さんだろう。




麗美は、気付かないふりをして、ケータイを開けた。



電話帳を開くと、一番に君の名前。




"相沢栄助"と登録されている。




まだ消せない…君のアドレス…番号。




名前を見るだけで、なぜかドキドキして




君の笑顔が離れない。




でも、君の笑顔を見ることは、もう出来ない。




麗美が、笑顔を…奪ったんだから。