大空へ向かって





家では、お母さんと二人。



すごく気まずい空気。




「栄助君の家に電話するね。」




お母さんが腫れた目で言った。




「…言わないで!!!」




「言わないとダメでしょ?お互いの親と、ちゃんと話をしないと…」




栄助は、母子家庭だからお母さんにも




すごく迷惑がかかるとおもう。




…麗美ね…分かるの。




今麗美のお腹に居るのは栄助との子じゃ無いって。



「栄助には、関係無いのっ!!!」




麗美は、泣きながらお母さんに頼んだ。




「じゃあ…誰の子供なの?」




答えられないよ。




知らない人の子供なんて、お母さん、これっぽっちも思わないよね?




麗美は、部屋に戻って鍵をかけた。