麗美が今、一番信用してるのは、瑠理だったから

瑠理だけには、別れたことを話そう。




紙には、




『実は、別れたんだあ。』



そう書いて、瑠理に向かって投げた。




まだ…人には、あの事は言えない。




麗美が…汚れてるって事。



親友の瑠理にさえ、言うのが恐いんだ…




人に聞いてもらって安心感を覚えるより…心に秘めてる方が




良い気がした。




嫌われるのが、恐かったのも原因の一つであるのは確かだ。




次の休み時間。




瑠理は、ちょっと気まずそうに麗美に話しかけた。




「さっきの本当?」




少し遠慮がちに聞いてくる瑠理。




「…うん。もう大丈夫だから、気にしないでね!」




麗美は笑顔で答えた。




「麗美…栄助の話を聞いて嫌いになったの?」




瑠理の意味ありげな言葉。



なぜか、すごく恐いんだ…



「…話って?」




麗美は恐る恐る聞いた。




「知らないの?」




瑠理は、驚いた様子だ。




「うん。」




「…私から言う事は、出来ない。聞きたいなら、本人に聞いた方が良いよ。」




瑠理は、泣きそうな顔で言った。




きっと…どちらが別れを告げたかを聞かないのは




瑠理なりの優しさ。




一体、栄助に何が…あったの?




あの話って




何だったのかな?