手にはしっかりと




ナイフが




握られていた。




嫌だ…




殺される...




手に持ってた




傘は 手に力が




入らなくて




ポトッと落ちた。




麗美は




固まったまま




動けなかった。




動いたら




今にも殺されそうで...




でも
動かなかったら...




嫌だ…
来ないで…
来ないでよ…




心の中で




何度も繰り返すが




男は近付いてくる。




顔は雨と涙で




ぐちゃぐちゃだったと
思う。




見た目なんて
どうでも良い。




逃げたい...




震えて足が動かないよ…